お針子日記

和裁の世界に入って20年。着物離れを何とか食い止めるべく、アイデアを練る毎日。

箪笥着物について考えます

箪笥着物やお下がり着物を活用しよう! 

着物を再度直して着る

 

 和裁をしばらく続けておりますと、個人のお客様も有難いことに増えてまいりました。

そこで相談されるのが、箪笥にしまわれたまま月日が経った着物の事です。

 

 お母様の着物、お姑さんの着物をどうしたらいいのか。

 若い頃、嫁入り道具であつらえて貰った可愛すぎる着物。流行に左右されにくいとは言え、今は見なくなった黒羽織や真っ赤な裏地の着物達をどうするか。 

 私のお客さんは基本着物を着る機会のある方なので、寸法や汚れの直し、仕立て直しなどご提案させていただきます。

 

着物を解いて、生地に戻して別物にする

 

 元々、私が着物を好きになった理由は、その生地の質感やデザイン(最初はアンティークの美しさに魅了されて…)、柄や色合わせの面白さからでした。

 鉄道ファンにも乗り鉄撮り鉄、とあるように、私の場合は着て楽しむ派ではなくて見て楽しむ派ですかね。(とはいえ仕事柄,着物を着る機会も度々ありますので、そちらも勉強中)

 着物好きという事は着ることだけではないと思っています。

 そんな観点から着物文化、和文化を楽し楽しむのもありでしょう。

 

 生地好きの私が強調して言います!

 

 着物を解いたらけっこうな量の布になります。そしてこの布はたいていは天然繊維のシルクです。しかもちりめんに至っては糸にヨリがかかって美しく柔らかい! 

 こんな贅沢な布を家の箪笥に長~く眠らせておくなんてもったいない!

 

 ご先祖様が残してくださったこの生地を、切ったり、はいだり、縫ってみたり。

 楽しんで使わせて頂きましょう!。