箪笥の中の帯をリフォーム&リメイク
箪笥の中には、着物と共に帯が眠っているものです。
しかしその帯をそのまま締められるかと言えば、そうでない場合があります。
そうでない場合の問題点として、
- しみや汚れ、臭いが気になる
- 帯の長さが短い
- 帯がぶかぶかしている
- 帯の色や柄が派手、あるいは地味すぎる(個人の趣味の問題かもしれませんが)
それぞれの問題点について、仕立て屋としてのご提案をさせて頂きます。
1.しみ、汚れ、におい、について
しみ、汚れに関しましては、染み抜き屋さんなどでとってもらうのが一番ですが、年季の入ったものは,なかなかとれないものです。
仕立て屋としてできることとしては、例えば、柄がひと続きの袋帯など、しみ、汚れが締めた時に見える場合、目立たないどこかで帯を裁断し、それらを締めた時に見えない位置ではぐ、ということができます。
こうした帯は継ぎはぎになりなすし、多少縫い代で取られるので、丈が少し短くなってしまいます。
どうしても締めたい帯の場合はされてもいいと思います。
においといえば、樟脳やカビのにおいでしょうか。
こちらは2,3日、陰干ししても取れないようでしたら、着物クリーニングするか、洗い張り(着物を解いて洗って仕立てる)をお勧めします。
この頃、着物の動画で消臭効果あるものがいくつか紹介されていました。私も頂き物の着物で樟脳の臭いに悩まされているのがあるので、つかってみたいです。
後日その結果をお話しします。
2.帯の長さが短い、について。
昔の方々は今よりも小柄な方が多かったのでしょう。
着物の帯も短い場合が多いです。今、もし着る方がその帯が短いと感じましたら、帯に足し布をして長さを出すことができます。
この場合、お太鼓結び、二重太鼓結びに限りますが、帯を締めて見えなくなる部分にしていきます。
名古屋帯と袋帯については下図の箇所が足し布する適切な場所になります。
また、つけ帯に作りなおしてもいいと思います。
多少生地を節約できる箇所もありますので、短い帯でもつくれる可能性があります。
そうはいっても節約しても足りない場合は足し布がいります。
3.帯がぶかぶかしている、について。
箪笥に長期間しまわれていた帯を出してみると、くたくたになっていてアイロンをかけてもシャキッとしないことがあります。
そんな帯は締め辛く、なんとか締めても着姿がきまりません。
これは、帯の中に入っている帯芯が過去の着用や保管時の湿気で詰まってしまったからです。
もちろん帯芯も湿気を想定し作られてはいますが、 芯の素材は大抵は綿です。
肌襦袢に襦袢、補正もして着物を着、帯を締める。動いている内にもう汗だく。そんな経験がある方、少なくないはずです。
帯地が絹だとして絹も湿気で縮みますが、綿芯の縮み程ではありません。
この縮み率の違いで表地が余ってぶかぶかしてくる訳です。
こうなった帯をシャキッと締めるには芯を入れ替えて、また仕立て直しになります。
4.帯の色やが派手、あるいは地味すぎる。
こちらに関しましては、あくまでも帯として派手、地味という意味です。
基本、柄や素材は好きである事が前提です。
可愛らしくて見ていて幸せになる柄。
地味だけど素材感が好き。
おばあちゃんが着ていた、思い出の着物や帯。
着物や帯として残しておくより、身近なものに作り変えたいという話をよく伺います。